社会的な問題になっている孤独死
一昔前は珍しい現象であった孤独死というものが増え続け、社会全体の問題になりつつあります。
家族とのコミュニケーションが疎遠になってしまい、定期的な連絡がないために、病気になっていることにも、亡くなっていることにも気付かずにいることも多くなっています。
また、高齢化が進み、一人暮らしの老人が増えていることも大きな要因でしょう。
孤独死が起こると、その家族だけでなく、故人が住んでいたアパートやマンションの大家さんや近隣住民に面倒が生じることもあります。
警察の調査が入ったり、遺品の片付けをしたりするのは時に大変な作業になりますし、精神的にもストレスを与えるものとなります。
そのため、孤独死についてよく考えて、家族はもちろんのこと、地域全体でできるだけ防止できるような対策を採ることが必要です。
本人の努力では防ぐことが難しいものですので、周りの人が協力する必要があるのです。
遺品整理を行うプロの目線から見る
孤独死に至るプロセスを見るにあたって、遺産整理を行うプロの目線は大きな助けとなります。
というのも、孤独死をするくらいですから、故人は日頃よりあまり周りとの交流が少なく、生活スタイルや思考パターンなどを、周りの人が把握するのは困難だからです。
しかし、遺品整理会社は、故人が残したものをすべて見ることになりますので、どんな生活を送っていたのか、どんな嗜好や好みを持っていたのかをすぐに知ることができます。
また、孤独死に至る最後の日々の様子を残されたものから推察することもできますので、一番故人が亡くなってしまった様子を知る立場にいるのです。
さらに、遺品をしっかりと整理して、故人が大事にしていたものなどを遺族に手渡すことによって、故人とご家族との橋渡しをすることもできます。
故人の思いが詰まった遺品を引き渡すと、ご家族の中には今まで思ってもみなかったような故人の性格や考え、好みなどを見ることもあって、とても重要な役割を担っています。
高齢者を見守る体制を作っていく必要がある
残念ながら都市部を中心に、高齢者の一人暮らしが増え、それに伴って孤独死もどんどん増えています。
こうした事態を避ける、少なくともその数を減らすためには、周りが高齢者を見守ってあげられる体制を整えなくてはなりません。
介護事業が発展している時代ですから、高齢者への定期的な訪問や連絡という手段をもっと採ることもできるでしょう。
しかし、こうした努力にも限界がありますので、地域住民がお互いのことを気遣う配慮が重要となります。
近所同士で連絡を密にすることで、かなりの孤独死を防ぐことができますし、少なくとも死後何日も経ってから発見されるという事態を減らせます。